【書籍】VTuberサプーが教える! Python 初心者のコード/プロのコード

python

書籍紹介:『VTuberサプーが教える! Python 初心者のコード/プロのコード』

書籍名VTuberサプーが教える! Python 初心者のコード/プロのコード
著者サプー(著)
出版社技術評論社
出版日2024年7月27日
ページ数288ページ
対象読者 ・Pythonの基礎文法は一通り学んだけれど、「自分のコードが仕事で通用するか不安」な人
・「とりあえず動くコード」から「読みやすくて安全なコード」にレベルアップしたい人
・エンジニア転職や実務を見据えて、プロのコーディング作法を身につけたい人
対応テーマ コードの読みやすさ・見た目の整え方、命名・コメント、関数分割、エラー処理、Pythonらしい書き方、標準ライブラリ活用、テスト(pytest)とデバッグなど
電子書籍Kindle版あり
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この本の概要

この本は、「とりあえず動けばOK」という初心者のコードと、読みやすさ・安全性・保守性まで意識したプロのコードの違いを、具体的なサンプルを通して学べる一冊です。コードの見た目(インデントや改行の入れ方、命名のしかた)だけでなく、条件分岐やループの整理、関数分割のコツ、例外処理、標準ライブラリの使いこなし、テストコードやデバッグの考え方まで、Pythonで「実務レベルのコード」を書くためのエッセンスがコンパクトにまとまっています。

特に、「初心者のコード」と「プロのコード」を並べて比較しながら、「どこが良くないのか」「どう直せば読みやすくなるのか」を丁寧に解説してくれるのが大きな特徴です。単にテクニックを列挙するのではなく、「なぜそう書くのか」という背景もセットで説明されているので、読み終わったあとに自分のコードへすぐに活かしやすい内容になっています。

どんな人におすすめ?

  • 入門書や動画でPythonの基礎文法は学んだけれど、「きれいなコードの書き方」がよく分からない人
  • 個人開発や学習用コードから一歩進んで、「仕事でも通用するコード」に近づきたい人
  • コードレビューで「読みづらい」「ネストが深い」とよく指摘されてしまい、改善ポイントを体系的に学びたい人
  • 将来Pythonエンジニアとして働くことを視野に入れている初学者・独学中の社会人

実際に読んでみた感想

VTuberサプーさんのことはYouTubeで知り、かなり初期のころから配信を追いかけてきました。Pythonの基本も、かなりの部分をサプーさんの動画で身につけたと言っていいくらいです。そういった経緯もあって、「応援の意味も込めて」この本を購入したのですが、中身はいい意味でかなり“ガチ”寄りで、いわゆる初心者向けの入門書という位置づけではありませんでした。

世の中には「Python超入門」の本が山ほどありますが、この本はそういった入門書を一冊読み終えたあとに手に取る「二冊目・三冊目」のポジションだと感じます。変数、for文、if文といった基礎的な文法を一通り理解している人が読むと、「なぜこの書き方は良くないのか」「プロはどう直すのか」がスッと腹に落ちて、Pythonへの理解が一段深くなるはずです。

「基礎は分かったつもりだけど、コードの質に自信がない」「そろそろ“それっぽい”コードから卒業したい」という人に、ちょうどいい負荷感の一冊だと思いました。

良かったところ

  • 「初心者のコード」と「プロのコード」が並んでいるので、どこを直せばよいかが視覚的に分かりやすい
  • 可読性・安全性・保守性といった「良いコードの条件」を、具体的なPythonコードを通して学べる
  • 標準ライブラリや便利な構文の使い方が整理されており、「Pythonらしい書き方」を身につけやすい
  • テストコード(pytest)やデバッグの話も含まれていて、「動けば終わり」ではない実務的な視点を持てる

注意点・合わないかもしれない人

  • まったくのプログラミング未経験者が、ゼロから文法を学ぶ「超入門書」ではない(基礎文法は別の入門書で押さえておくと安心です)
  • Webアプリ開発やデータサイエンスなど、特定分野のフレームワークの詳しい使い方を学ぶ本ではない
  • 「とりあえず動けばOK」というスタンスのままでいたい人には、ややストイックに感じられるかもしれない

まとめ

このブログではRaspberry Pi Pico / Pico W向けのPythonコードをよく扱っていますが、マイコン向けの短いスクリプトであっても「読みやすさ」や「安全性」はとても大事だと感じています。本書で紹介されている「初心者のコード」と「プロのコード」の考え方は、そのままPico向けコードにも応用できる内容ばかりです。

今後は、この本で学べるリファクタリングや命名のコツも意識しながら、ブログ内のサンプルコードも少しずつ整えていくつもりです。Raspberry Pi Picoでの開発とあわせて、Pythonの「書き方の質」も高めていきたい人は、ぜひ本書もチェックしてみてください。

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